I・Y様
口内(腔内)心身症と診断され、
現在、星状神経ブラック治療を行っているとの事。
その後、歯茎が腫れる事がある。
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まず、腔内心身症は精神的な負担からくるものです。
精神的な負担とは一言で言えばストレスです。
ストレスの原因は過度な生活習慣の乱れ(特に夜遅くまで起きる)や、
周辺でのイライラする環境、人間関係で起こります。
これらで起こるストレスは、
人体の自律神経の乱れに直結します。
簡単にその仕組みですが、
自律神経とは交感神経、副交感神経とあり、
人間の健康を保つにはその2つの神経のバランスが重要なのです。
ストレスにより交感神経が緊張状態にある状態が長い、あるいは強い為に、
交換神経、副交感神経のバランスが乱れ1日の中でも、
交感神経が支配している事が多いと思われます。
逆の言い方をすると副交感神経の支配が少なくなってしまった状態です。
交感神経が緊張状態にあると免疫細胞(白血球)のうち、
顆粒球が多く生産されます。
顆粒球とは本来、体内に侵入した細菌や、そもそも体内に常時存在する、
常在細菌などの処理にあたります。
しかし、その顆粒球が増えすぎると、
必要以上に細菌への攻撃が行われ、その結果、炎症を起こしたり痛みとなって現れます。
そこで星状神経ブロック治療ですが、
これは、ここで問題としている自律神経の働きをゆるめる(弱くする)効果をもたらします。
これを緩め、神経の一部を遮断するので、
まずは痛みを脳に伝える事を遮断する事と、
逆に脳から体へ伝える事を遮断します。
交感神経の緊張を緩める事で、副交感神経を有意にさせようとします。
本来、副交感神経は就寝時や食事中などの際に支配し働く神経です。
つまり神経を意図的にコントロールする事になります。
交感神経が緊張・・・つまりストレスを感じていたりする際は、
呼吸も浅く多くになります。
血管も収縮し血流も悪化します。
その結果体温も下がり気味になり免疫は落ちる事になります。
ですので、交感神経の緊張がゆるみ副交感神経になれば、
簡単に言えば心が少し落ち着き、血圧も正常に近づき、
血流が良くなります。
薬の効果で一気にそれが行われるので、
急に血流が良くなった分、歯茎などの腫れに繋がるのではないかと思います。
あくまで普段の生活で穏やかな気持ちを心がけてみて下さい。
イライラしそうになったら、
少し外の空気を吸い、
大きく深呼吸する事も大切です。
鼻からゆっくり酸素を吸い、
お腹を膨らませるイメージでいっぱいになるまで吸います。
そしてまた鼻からゆっくり時間をかけて吐き出します。
こういった深呼吸を取り入れ、
交感神経の緊張を和らげるようにして下さい。
それとあまりイライラしそうな際は、
お酒ではなく少し食べ物を摂取してください。
お酒は交感神経を刺激してしまいますが、
先ほども記載した通り、
副交感神経は食事中にも働きを強めます。
サラリーマンやOLでも仕事で疲れたり、イライラしたりする事が多い中で、
出先で『ちょっと何か食べよ』とコンビニに寄る行為は、
仕事や人間関係のストレスで交感神経が緊張状態にあり過ぎる為、
自然と、副交感神経に切り替えようとする無意識の技なのです。
また大切なのは体を温める事です。
体を温める事は簡易的に、しかし確実に副交感神経を刺激します。
お風呂に入ってポカポカの状態になったり、
食事や間食をしてお腹が満たされている時には、
人間はイライラしにくいものです。
これは自律神経の作用だったのですね。
結果的に、現在の状態で言える事は、
歯茎の腫れは人によるでしょうけれど、
神経が落ち着いてくれば治まってくるかと思います。
あまりに痛い場合は痛み止めの服用も良いのかもしれませんが、
必要以上に服用するとかえって危険です。
だいたいの痛み止めは交感神経を刺激してしまうので、
低体温や血管の収縮を招きます。
症状が我慢出来るうちは、
少し様子を見て気楽に過ごされたら良いかと思います。
後は、今後の生活でなるべく自律神経の乱れに繋がらない様に、
体を温める事、
早寝、早起きを心がける事、
イライラする時は深呼吸。
こういった事で少しずつ改善していけたらと思います。
お大事になさって下さい。
癒しの時間 代表 大森謙太